複数のDCCツールを使い分ける際は作業のしやすさを考え「何に(DCC)どういった個所を任せるのかを適切に決めて効率を上げる」ことが重要になる。
ここをうまく構築できていれば当然作業を早く上げられるし、早く完成形に近い状態にもっていけるので、気になった点を余裕のできた分だけブラッシュアップに割り当てられる。
衣装作成がそろそろこなれてきたため、ワークフローとパイプラインの確立をしなければと思い自分の環境下で、尚且つ個人的に慣れ親しんだものを中心に考えてみることにした。
無駄なDCCツール間の行き来を無くせるよう、作業を整理しつつ作業フローを実際に作業をしながらまとめていきたいと思う。
まずはMarvelous Designerを使用し衣装を作成する。以前までのワークフローではMayaでUV調整するなどの手間な部分もあったが、現在ではMarvelous Designer内で完結できるため効率的に作業ができるようになった。完成したらテクスチャーと衣装シミュレーションデータを含めUSDファイルで書き出しをおこなう。
Marvelous Designerから書き出したテクスチャーをベースにしPhotoshopでカラーマップに必要な要素を予め描き込んでおく。必要であればSubstance 3D Painter
のレイヤー作業用にマスクなども作っておくよい ( 下図でいうと “メタ女” のロゴ等のマスク )。
Substance 3D Painterでやればいいと考えるところだが、UV展開がしっかりしていればPhotoshopでも問題なく作業できるし、ことさら私には感覚的この方が手っ取り早く完結するで好きだ。
Substance 3D Painterを使用しテクスチャーの作成をおこなう。プリレンダーの時代まではそれほどでもなかったが、UE5等ではSubstance 3D Painterで作業するのが圧倒的に効率がいい。ベース画像( 今回はカラーマップ )があれば読み込み、プリセットも活用しつつ質感を構築していく。
完成したらUSDファイルと同じディレクトリーに適当な名前 ( SubstancePainter等 ) でフォルダを作成し保存。
UE5で ChaosCloth に Marvelous Designerから書き出したUSDファイルを読み込ませ、シミュレーションをさせたい個所をペイント。想像している以上に淡く薄く延ばすようなペイントを要求される。シミュレーションチェックにはアニメーションを使用し実際の動きの中で検証をおこなう、調整では ChaosCloth のパラメータも当然だがコリジョンに関わる物理アセットの調整も含め仕上げていく必要がある。
調整に必要なアニメーションはプロジェクトの作成時、プリセットでゲームの ” サードパーソン ” を選択すると最初からモーションが入っているので便利かと思う。
参考のためサンプル動画を作成。