リアルサイズの人体を3Dプリントするプロジェクト「実物大フィギュアの制作」② ~忍耐の頭部 “再✕3” 出力…~

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作成した人物を現実世界に出力したくなるのは、世のキャラクター制作をしている者にとっては夢であるものと思います。 更には、「実物大」リアルサイズでの出力は悲願のようなものです。

前回再開をし頭部の出力し成功をしたものの、頭部の大きさが気に入らず再度モデルを調整し出力を試みることに。大型の出力なため時間はかかるが基本手間となるのは最初と最後のみ。出力中は、ただ、ただ、終わるのを忍耐をもって待つのみ。とはいっても仕事をしてるか寝てるかなのでジーっと見ているわけではないので無駄な時間ではない。良いものにするため妥協せずにトライしていく。

正直参ったし滅入った、CHITUBOXが 必要なサポート(細い枝のような支柱)の 自判定してくれず。

それに気づかず1回、その後に手動でサポートを足すもののサポートの数が少なかったためにまたも失敗。結果2度も失敗を繰り返し5日間、レジン1.8リットルを浪費してしまう大失態となってしまった・・・

失敗した出力モデルは、まるで映画「エイリアン4」のクローンに失敗したリプリーのように見えて物悲しい。なぜCHITUBOXでサポートが自動で付かないのかは現状分からない。ただ、顎から上の頭部内のサポートも欠損していたため、顎から上の縦軸のサポートがゴッソリと処理されていなかった感じのようだった。

出力前に気が付ければよかったのだが、周囲のサポートに隠されていたため発見することができなかった・・・。気づいた後の再挑戦でも、手動で設置したサポートの本数が不足していたらしく顎が欠落、、、散々な結果になってしまった。

1回目(頭部が小さく作品としては失敗作とした)の出力に成功例を参考に手動でサポート設置したら3回目は何とか成功を収めることができた。

ところが、ビルドプレートに強く固着してしまっていたサポートを剝がそうとした際に胸の部分を割ってしまい、完全に分離させてしまいました。

作業は慎重にしていたつもりだったが、ビルドプレートへの固着が酷く力を入れた際に一気に剥がれ、それがサポートが胸の内部にあったため胸部を内側から押すかたちになり大きく割れてしまった。

薄い影響もあるが、レジンの場合は中途半端に厚みがあっても柔軟性があまりない為に割れやすく、力が加わった場合には脆い。以前4ミリの厚みで出力をおこなったことがあるが、質量からくる重さで30センチ程度の所から転げ落ちただけで補修困難なほどに砕けてしまった。ただ、レジンであってもある程度薄く出力すれば、僅かではあるか柔軟性は得られることが経験からわかってきた。最近はリアルサイズ出力では “薄手で軽量なものを” と考え制作をおこなうようにしている。

私はレジンボトルの底にたまっているものを小さな容器に集め、接着や補修用に利用している。

接着も補修時のパテ盛りのような作業も、この余ったレジンを使用しおこなっており。幸いなことに、今まで不都合は一度もなかった。

こういった作業の場合は手元での小さな領域の作業となるため、小型のUVライトを用意しレジンを硬化させる。

■補修していく

接着は断面にレジンを”僅かに多め” なくらいに塗布し、UVライトで硬化させ接着をおこなう。もちろんライトを点灯させる際は必ずUVカットの作業用メガネを装着し目を保護するようにしている。

接着は即効性があるため、直ぐにヤスリやペーパー(紙ヤスリ)で接着部を研ぐことができる。私が接着剤もパテも使用しないようになったのは、レジンであれば “直ぐ接着でき”、”直ぐに盛ったものが固まる”、しかも十分に役割を果たすからだ。無論、出力した素材そのものなので馴染みも完璧。

今回の補修では大きく割れ分裂してしまった胸板を接着すると共に、欠損 (断片を発見できなかった) してしまった個所も補修し復元していく。

まずは胸板の接着から。割れた断面にレジンを少量、合わせたら合わせ目の間から少しあふれる程度に塗布しUVライトで硬化させる。照射後※はティシュ等で表面に滲んている(ブリードに近い状態(?)で無駄にUVライトを照射し続けてもなかなか硬化しない)レジンを拭き取り、ヤスリやペーパーで研ぎ表面を均し補修の痕跡を消していく。丁寧に研げば、ほぼ補修痕は目立たなくすることがでる。
※使用していライトと塗布した量にもよるが20秒~40秒前後。

体との結合時に合わせ目調整をおこなう際に再度大掛かりに研ぐため、今回はある程度形が回復する程度に補修は止めておく。下部の右端に破損部がまだ残っている、こちらは接着するオリジナルの破片を見つけることができなかった(大量のサポートに埋もれ見つけられなかった)ため、レジンをパテのように盛り研いで仕上げていく。
欠損部分はベースとして裏側から板状のレジンの欠片を接着し、その上に何回かに分けレジンを垂らしてライトで硬化。デザインナイフで成形したあと、ヤスリとペーパーで研いで仕上げた。
裏側の内部を見るとこんな感じ。
研ぐ必要もない為、接着部分がよくわかる。耐久性を持たせるため適量のレジンを盛り硬化させている。欠けていた個所は欠片を張っているのでその欠片がはがれないようにレジンを使用し固めている。

■補修は続く…

後は頭部の補修。積層順に胸から顎は問題ないのに、顎から上が酷い。

積層ムラの原因も探ってみなくては。

今回は “今後の為の勉強” だと思っていろいろ探りながら取り組んでいきたい。エラーやその回避方法、新たな出力データの造りなども含め検討・模索しつつ効率化も考慮し完遂したいと思っている。

もちろん、MetaHumanでデジタルヒューマンも並行してやっていく。

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