リアルサイズの人体を3Dプリントするプロジェクトを再開

3年前にMetaHumanにハマってしまい止まってしまった、リアルサイズ人体の出力にチャレンジするプロジェクトを再開することにした。

なぜ出力を?

やはり3Dでモデルを作成していると「実際にリアルワールドあったらどう見えるのだろう」と考えてしまう。やはり立体で作成しているのに実在感がないのは空しいから、これは3DCGを始めた1992年頃から3DCGを始めて以来いつも感じていること。大昔に3DOとNEC PC-FXのゲームで「紺碧の艦隊」の3DCGをやっていた頃も潜水艦、戦艦、戦闘機、飛行艇を多数作成し「モデルデータを立体出力できたらどんな感じになるだろう」などと思っていた記憶が今でも鮮明に思い出されます。

4年程前に3Dプリンターを手に入れてからは仕事柄キャラクー系しかやっていないので、もっぱら人物の出力になっている。3DCGとして作成したモデルデータを実際に見てみたい、人ならばリアルサイズで見て確認してみたい。でも私は過去には仕事で鬼武者、モンハン、MSG3、ドラクエ、FF、etc…いろんなゲームのキャラ制作をやってきたけど、結局なぜだか大衆の興味のなさそうな普通の人を出力してしまう。 

・・・全くもって私は “残念な人間” だ・・・

再開のきっかけは、頭部の出力後の試作モデル(写真)をデスク背後に飾っているのだが、3年もすると視線がイタく感じるようになり「そろそろやるか」と心動かされたからだ。とはいっても3年ぶり、プロセスもノウハウも忘れかけてるし、機材もコンディション問題に不安が残る。残っているレジンには経年結果はないのか?なども含め不安は多い。
とりあえず簡単な機材チェックを終えたあと、以前の出ささ力に使用したZBrushのデータを確認しテスト出力を試みてみることに。


使用するプリンター Phrozen SONIC MEGA 8K のレベル確認後、3年前の出力時に残ったレジン2リットルで出力してみる。前回どの程度のレジンを使用したのか覚えていいし、今回は前回の頭部のみを切り出したものではなくな。体との結合面までを考慮したモデルとなっているため、かなり前回のものよりも大きくなっている。

ZBrushて作成した3年前の分割データは一部を除き破棄、新たに分割をし直した。CHITUBOXを使用し中空化やサポート配置、スライスデータを作成、出力ファイルを書き出しプリンターへ読み込ませた。


高さ 386.487mm で 7729 積層を要する。1回の積層プロセスで33秒ほどかかる。出力当初にプリンターの表示した予測時間は ” 71時間3分 ” 、3日間程度はかかる計算。確か以前の頭部試作では正月に3日間をかけて出力したのを思い出した。ただ、実際に始めると誤差なのか1時間半~2時間前後の誤差が生じ早く終わる、とはいっても70時間クラスになると大した違いには感じない。

エタノールで脳を溶かされながら(頭痛が酷い)洗浄しつつ、UVライトで2次硬化をおこない、簡単な調整をおこなう。といっても、以前作成したものと同様、目の部分の裏側には義眼のを収めるためのソケットが設けてあるのでその調整くらい。

義眼の平均的なサイズの大きさを測り作ってあるが、個体差があるため状況に応じて削り調整をする仕様で設計をしている。

義眼をはめるとこんな感じ。


まだ彩色や付けまつげ、眉毛シールを付けていない為、ただの気味の悪い感じの出力物のようになっている。今後は胴体、腕、足を出力しパーツが全て揃った時点で全体のバランスをみて、バランスに問題が無いようであれば、彩色などの次のステップに進みたいと考えている。