今回は胴体の前面部を出力していく。胴体は横から見た際、胸は前方にお尻は後方に張り出しているため、結果として奥行が意外なほどある。

ただ、胴体は正面から見て前面は縦横共に面として展開したいと考える、なぜなら、正面から見て縦に真っ二つというのはどーしても避けたいからだ。
結果として前後で2分割することにした。2分割といっても効率を考えれば、どちらかをプリント出力ギリギリのサイズとし、残りは別パーツと同時出力にしてプリント回数を抑えたい。

なぜならば、胴体の高さは Sonic Mega 8K の限界出力サイズ “40cm” プリントには推定でも71~73時間前後となるからだ。
そこで今回はモデル形状の状態から、前面部を厚く大きくとり、背面部を薄くし他のパーツと同時出力とした。

大きい為に出力中の変形は抑えたい。ただ、サポートだけでは困難が予想されるため、本体自体で出力時に強度を持たせられないものか? と思案し失敗覚悟で試験的に格子状のサポートフレームを設けることにした。
垂直フレームは支障ないと思うが、水平フレームの面には若干不安がある。なぜなら、面での出力はフィルムからの引き剥がし時に不可となるからだ。
そのため幅を狭め面積を減らしたベルト状とすることにした。
72時間弱で出力完了・・・


最後の7mmくらいが積層ミスとなっていた。股間は欠落となり原型は無くなっていた…
出力のし直しも考えたが、レジン1リットルはもったいないし、72時間という時間ももったいない。
そこで次の背面部の出力時間の間に修復を試みることにした。不可能であった場合には、再度出力のし直しをおこなえばいい。
支障のある個所は他にもあった。

良かれと試験的に設けた格子状のサポートの箇所だ。まるでボンレスハム。紐が食い込んでしまったかのように水平サポートの部分が陥没してしまったいる。
やはり面となっていたサポート部の引き剥がしで問題が発生してしまった模様。やはり横方向の面はNGらしい、サポート部のベルト状の箇所は幅を抑えて対処してみたのだが、全く意味がなかったようだ。たたし、縦方向の面は支障なかったようだ。
「縦はOK、横はNG」
ここも欠落してしまった積層ミス同様、修復で形状の回復を試みる。
修復作業

これまでの出力で出たサポート等のゴミをリサイクルして補修用素材として利用する。
使い方としては、サポート材を適度なサイズとして補修したい個所に対置し、それらをレジンで固定。更にそれらサポート同士の間にレジンを垂らし、それらを強固な塊として作り上げる。後は張り出したサポートはニッパー等で切断し、デザインナイフやリューターである程度整える。後はヤスリやペーパーで水研ぎして仕上げていく。

詰めたたサポート部へのレジンの垂らし方には多少のコツがある、それは毛細管現象と表面張力。粘度が多少あるため、サポート同士の間に垂らしても直ぐには垂れてはいかない。そのためしばらく待って硬化させれば、入り組んだサポートの間を掻いくぐらせ徐々に密度を上げ固めていくことができる。また、表面張力でとどまっている一瞬を利用してUVライトで固めれば、レジンは垂らした付近で固まるため表面的にと止める硬化も可能となる。

ボンレスハムな感じとなってしまった部分は、窪みにレジンを盛りヤスリで水研ぎし後にペーパーで整えていく。
前後の境界線部分はエッジが必要となるため、セロハンテープで壁をつくり作業をおこなった。

最終的に股間もボンレスハム状態もある程度修復することがてきた。
ただし太腿との境界線部分は積層ミスで前面部と股間部分が大きく欠損していたため、太腿との接合時はチリも含めて造形が大きく異なってしまっている可能性が高い為、再度大掛かりな修復が必要になる可能性が高い。
出力本体へのサポートは不要?
今回で分かったことは「下手にサポートをモデル本体に設けると、後が大変になることがある」ということ。縦方向であれば支障は出にくいが、その分剛性が上がり過ぎてしまうためパーツ同士の接合の際に剛性が邪魔をして押し歪めて接着させるなどの場面でうまくいかなくなる場合が想定される。
各部位が大きい出力となるために、必ず少なからずの出力歪みが生じる。あえてモデル本体へのサポートを処理せずCHITUBOX等の出力アプリによるサポートに任せ、歪みが出たら後で歪みを力業で矯正しながら接着し仕上げていくのがよいのかもしれない・・・