リアルサイズの人体を3Dプリントするプロジェクト「実物大フィギュアの制作」⑤ ~手足の出力パーツを接合し組み上げる

今回は出力をし終えたパーツたちを組み合わせ、それらを接着してパーツとし本体(頭を含む胴体)に組み合わせ出来るようにしていく。

両腕

腕は肘下の部分で2分割され出力されている。接合部分にUVレジンを塗布し、UVライトで硬化させる。コツとしては、少し多めに塗布し接合部から僅かにはみ出させるくらいで対応することで、後処理でヤスリがけの工程までスムーズに対応できるようになる。


両足

足は膝下と足首の部分で3分割され出力されている。腕と同様に接合部分にUVレジンを塗布し、UVライトで硬化させていく。ただし、今回は太腿の内側に癒着してしまったサポートの塊があるためこの部分を切除する必要があった。ただ、完全に融合してしまっているため剥離の際には出力本体の太腿の表面も持っていかれてしまうのを覚悟しなくてはならない・・・作業部分が処理しにくい状況のため仕方がないのだ。その後の対処としては表面側からテーピングした後、内側からレジンを塗布しUVライトで硬化させることでリカバーする。

太腿の補修が完了したので、太腿、膝下、足のパーツを接合していく。
ここで膝下の部分に大きな出力誤差による段差ができてしまっていることが確認できる。膝の前後で合わせて2.5mm前後、作業効率上を考えると前後の修正は時間がもったいない為、裏側の脹脛(ふくらはぎ)の上部に位置を合わせオフセット(形状的に一番パーツ形状が一致していた)することで前側の膝の1か所に絞って調整対応していく。

※ズレが生じる原因(推測)
大型の3Dプリンターではビルドプレートから下に積層していく構造上、出力物はビルドプレートに吊り下げられる状態となる。そのためプレート付近には支障ないが下方に向かって”振り子状態”となるため、下方にいくほど誤差が生じてしまう傾向がある。サポートを使用し過剰なほど補強をする方法も多少効果はあるものと考えるが、40cmクラスの大きさからくる自重の重さを抑制することは難しいものと思う。

次回は頭部と胴体の接合を予定している。
ただし、既に足の膝に生じていた接合部のズレが確認されているため前途多難な感じがする。。。

実験的なものなので、失敗を恐れずに対処していきたいと考えている。
※300時間を軽々超えていた出力時間を考えると、失敗したら絶対に凹むとは思う。